大雄山 杉林

大雄山杉林

 大雄山杉林は、応永元年(一三九四年)に良庵慧明禅師がこの地に入山して、堂塔の建立と共にスギの植林をすすめ、伐採禁止令をしいて以来今日まで保護育成されてきました。最乗寺境内と参道を囲む約1二十六ヘクタールが文化財指定をうけており、指定地内のスギは樹齢350年〜500年で、その最大のものは幹周り七メートル、樹高は四十五メートルに及んでいます。大雄山杉林内にはすでにこの土地本来の自然林構成種の常緑広葉樹であるウラジロガシ、シラカシ、シロダモ、アオキなどが生育しています。今日では高木層に位置付けられるスギを除いた樹林は、きわめて自然に近い構成種群からなりたっています。スギ林の人為的管理は、植栽初期の下草刈り、枝打ちなどにとどまり、その後はスギの生育にまかされているため、年数を経たスギ植林地内には、その土地の自然林構成種が多く復元し、植林されたスギと調和し生育しているところが多いです。神奈川県下ではスギ植林地は多いですが、当杉林のように自然林構成種が復元し、自然林に近い林分を形成しているところは少なくまた面積も広く、林相も安定しており、貴重な存在といえます。
南足柄市教育委員会

 

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