最乗寺 多宝塔

多宝塔


最乗寺の多宝塔は、神奈川県下で唯一の多宝塔遺構であり、曹洞宗の寺院としては珍しく、内部には多宝如来を祀った厨子が安置されています。心柱に残る墨書から建立は江戸時代末の文久三(1863)年で、願主は江戸音羽の高橋清五郎、工匠は大工棟梁の相模匠藤原直行、彫物師は後藤豊次郎であることが分かっています。この多宝塔は、棟身が高く相輪が短いものの、その形態や彫刻のあり方に江戸時代の技術や手法をよく残しています。また、二重構造のうち下部の四天柱をそのまま伸ばして、上部の側柱にするなど、珍しい手法も見られます。
多宝塔は、大正十五(1926)年と昭和三(1928)年の二度の火災でも被害を受けることなく、建立当時の姿を残しています。まさに、過去と現在をつなぐ歴史の証人としての役割を果たしているといえます。
平成二十二年三月
南足柄市教育委員会

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