足柄ばやし
「足柄ばやし」は江戸祭り囃子の系統に属する祭り囃子の一種で、当地に伝わったのは江戸時代中期と伝えられています。郷社足柄神社、岩原八幡神社などの祭典はもとより、各地の道祖神祭りにおいても用いられ隆盛を極めました。昭和40年頃各地に伝わる様々な音色のお囃子を「足柄ばやし」と称して統一し、昭和45年に「足柄ばやし保存会」が結成されました。以来、郷土芸能の保存伝承活動を行っています。
芸能内容
演奏は笛一人、鉦一人、大太鼓一人、小太鼓二人の五人囃子が基本とされていますが、山車や大きさにより多少人数は変わります。イベントなどの舞台演奏の時は、小太鼓を5人から7人に揃えて演奏します。
曲目は「囃子」「聖天(しょうでん)」「神田丸」「鎌倉」「四丁目(しちょうめ)」の5曲です。賑やかな中にも、哀愁をおびた旋律は、なにか昔の物語を語りかけてくれるような思いを感じさせてくれます。
団体の活動
足柄ばやし保存会のメンバーは各自治会の祭典時に太鼓の指導を行っている人達で、現在の会員数は33名です。南足柄支部と岡本支部の2支部で構成しています。
活動は公演の他に保存会員より、各地区の女性太鼓や子供太鼓連の指導育成に努め、足柄ばやしを次世代に伝承していくための活動を積極的に取り組んでいます。
特記
南足柄市指定重要文化財指定(民俗芸能)昭和50年2月28日
かながわの民族芸能50選に選定
ささら踊り
足柄ささら踊りは、江戸時代に宿駅があった当地で、江戸の小町踊りという少女の風流踊りと信州の七夕踊りが合流して生まれた、七夕踊・小町踊の系統の風流踊りと言われています。
江戸時代から明治中期までは盛んに踊られていましたが、明治末期からは後継者不足等のため、踊られることも少なくなりました。
しかし、昭和29年頃から、当時の婦人会の方々が、足柄ささら踊りを伝承していた古老の方々から直接踊り、歌、楽器などの指導を受け、ビンサザラを用いることから「ささら踊り」と称し、保存継承してきました。
以前は少女により、境の川を間に踊り比べや即興の歌比べなどのかけ踊りの風習もありましたが、現在は保存会で各地区の踊りをあわせて伝承しています。
芸能の内容
足柄ささら踊りの衣装は、江戸期は村持ちの揃いの衣装であったとの記録があり、現在も揃いの浴衣(絵柄は、歌詞の中にある「袖には牡丹、裾には鯉の滝登り」)に襷掛けをします。
踊り手はその演目によって、扇二本、手拭い、ささら、小念仏太鼓を持って踊ります。
歌い手は、ささら、小締め太鼓、摺鉦の演奏に合わさせて歌います。
踊りは7種で、横列で扇二本を持って踊る「広町の扇踊り」「雨坪の扇踊り」「関本の甚句踊り」「飯沢の扇踊り」。同じく横列で手拭いを広げて両手で持って踊る「関本の手拭い踊り」、右手にバチ、左手に小念仏太鼓を持って踊る「中沼の太鼓踊り」。輪になり、ささらや小念仏太鼓を持って踊る「福泉の丸々踊り」があります。
団体の活動
ささら踊りは旧相模国域に分布しており、足柄のささら踊りを含む6市8団体で構成する相模ささら踊り連合会による相模ささら踊り大会が毎年一回7月、各団体の所在地において輪番で開催されています。
また、毎月一回の練習で足柄ささら踊りの保存・伝承に努めるとともに、南足柄市市民文化祭、夕日の滝開き、足柄峠笛祭りなどで毎年度公演しています。
さらに、市立向田小学校、岡本小学校、南足柄小学校の児童へのささら踊りの演技指導や公演を行なっています。
神奈川県無形民俗文化財(昭和42年7月22日)
国選択無形民俗文化財(昭和50年12月8日)
かながわの民俗芸能50選に選定(昭和52年)
団体名 足柄ささら踊り保存会
代表者 会長
設 立 昭和29年頃
会員数 37名
会員の構成
昭和29年に伝承の指導を受けた会員と、その後の後継者育成講座終了者によって構成されています。
活動の内容
毎月平均1回練習を行います。夕日の滝開き、市民文化祭、足柄峠笛祭りに出演します。また、自治会や老人会の行事等にも公演します。
問い合わせ
南足柄市教育委員会生涯学習課 0465-73-8036